12.2 滞空時間
職場での心理的苦痛は悪化していったように思う。今思えばだが。そのときは特に気にはしていなかった。というより、その余裕はなかった。依然として人間関係での悩みは尽きなかった。そしてそれが劣等感となり、なんとかしたいと、もがいていた。
なぜ、なぜ、なぜ?
どうしたら、どうしたら、どうしたら?
この繰り返し。
生き辛さが日に日に増していった。7月末には、自分の行動が自分で分からなくなっていった。朝礼では立ってるだけで精一杯だった。ありとあらゆる人の視線が気になって、とうとうひと回り以上も年下のアルバイトにさえ恐怖心が芽生え出した。
それでもなんとかなる。と言い聞かせ、前を向き続けた。燃料切れの戦闘機のように風の吹くまま、その限り。滞空時間を伸ばそうと必死だったのかもしれない。そしてそんな中で、私は8月、39歳の誕生日を迎える。